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2013年8月23日金曜日

90年代の日本に見るプロレス・格闘技とメタル・ハードコアの関係性

何故ここまで放置してあったブログを三日続けて更新するのか。
それは、昨日のエントリーを書き上げる前から今回の事を書きたいなと思ってしまったからである。
このブログ自体がほぼオレの個人ブログなので文句は言わせない。

オレの経験則でだがメタル・バンドをやっている人間にはプロレス好きが多い。
ライオン・ハートことクリス・ジェリコはプロレスラーでありメタル・バンドのボーカルでもあるので、ここにもその関係性の深さが伺い知れるだろう。
(ジョーイ・タモーンこと本田多聞の事は一旦忘れておいて欲しい、色々厄介なので)
対照的にハードコアを志向する者にK-1や総合格闘技ファンが多いような気がする。
どちらも正確に統計を取った訳でも無いので、気のせいと言われると反論は難しいのではあるが。

これはおそらくではあるが、プロレスの魅力=お約束=様式美と、華やかさの裏にある異常な人間臭さ、泥臭さがメタル者の感性と合致した結果ではなかろうか。そしてプロレスの入場テーマにメタルが結構な割合で使われている事もその一因かも知れない。
(ちなみにオレがメタルにハマったのは兄貴がメタル好きだった事と、蝶野正洋の入場テーマがRoyal Huntでパワー&ホークのヘルレイザースの入場テーマがOzzy Osbourneであった事に起因する)
対するK-1や総合格闘技がハードコアに傾倒するのは、その徹底的な勝負論とストイックさ、真っ向勝負で相手を叩きのめすカタルシスに惹かれてなんじゃないかな?と思う。
そう考えるとK-1もPRIDEも、メディアへの露出を強めたあげく衰退していったのは、当然と言えば当然なのかも知れない。

プロレスもメタルも一歩間違えれば虚仮威しで終ってしまう大仰さを説得力あるショーにする所に凄みがある訳で、(96年4月29日、東京ドームのグレート・ムタvs新崎"白使"人生戦などは、様式美メタル的プロレスの最高峰だと思います)同時にある種のファジーさも必要とするなかなかと面倒な物だ。
だからこそ深みにハマって行くのだろうと思うけども。
ちなみに、現在新日本プロレスにおいてIWGPヘビー級のタイトルを保有するオカダ・カズチカなんかはメタル的感性で見ても凄く良い選手だと思いますハイ。

じゃあ、格闘技色の強いプロレスってどうなの?って話になる訳だが、そう言えばハードコアとかの人ってUWFと猪木の異種格闘技戦が好きって人が多い気がする。
オレ個人としてはUWFと言えば、新日vsUインターをリアルタイムで見ていたので、当時は「Uは死にさらせ!」とか物騒な事を思っていた口だ。

さて、ここからがオレが一番言いたかった事である。

パンクラスと言う団体がある。


第2次UWFから分裂した藤原喜明を中心とした藤原組から、より格闘技的な路線を志向する船木誠勝・鈴木みのるを中心に、選手と練習生をほぼ引き連れて旗揚げされた団体である。
パンクラスは『完全実力主義』を標榜し、他格闘技の技術の研究の徹底。相手に攻撃をさせない・攻撃を受けない、長州力のハイスパート・レスリングを子供だましと言わんばかりのハイスパートな試合で、倒して即極めるそのスタイルは「秒殺」と呼ばれファンを魅了した。
また、従来のプロレスにおけるトレーニングや食生活の見直し(ジャンプで漫画化された程である)により生み出された肉体は自身らの団体スローガンに掛けて『ハイブリッド・ボディ』と呼ばれていた。

と、ここまで書いて来て、わかって頂けたかは知らんが、オレが何を言いたいかと言うと。
「こいつらのやってる事って総合格闘技と一緒じゃん!」
って事である。(現代の話では無いのでガチヤオ論争は置いておきたい)
しかもこいつら、そんな事やっときながら、いけしゃーしゃーとプロレスを名乗ってやがったのである。
当然、新日シンパであったオレには途方も無くつまらない物に映り「こんなものはプロレスでは無い!」と断言させるのに十分なものであった。 思えばUインター等はプロレスであったのだな等と思わせる程に。

さて、ここで上記のパンクラスについての記述をプロレスをメタルに、格闘技をハードコアに置き換えるとあるバンド像が浮かび上がって来る。

そう。

Panteraだ。(今季2度目)


またPanteraかよとか言わないのー♡
実際、先般のエントリー通りオレの中でのPanteraのイメージはハードコアであるし、雑多な音楽を消化してストイックに自分達の音楽を追求しながら「オレ達はメタルだ!」と宣言する様はパンクラスと異常に被るのである。ダレルのギターなんてハイブリッドって言葉がしっくりくるし、ルックスは流石にほど遠いものがあるんだが…。
後の船木と鈴木の確執もフィルとアボット兄弟の確執と共通する物がある。(これに関しては言い過ぎだと自覚している)
ちなみに、オレはこの記事を書くに当たって『パンクラス パンテラ』で検索してみたが、『パンクラス=Pantera説』を唱える記事は無かったので、今後もこのロジックを振りかざして行ってやろうと思う。

「プロレスはメタルだ。格闘技はハードコアだ。そしてパンクラスはPanteraだった」


余談ではあるがPanteraが解散した2003年にパンクラスではプロレス部門である『パンクラスMISSION』を設立。鈴木みのるは以後、新日・全日・ノア他に参戦するようになる。
この前後にはパンクラスにルチャ・ドール(平たく言うと空中殺法が得意なメキシコのマスクマン)が参戦したり、ライガーが参戦したり、佐々木健介が鈴木との試合交渉のゴタゴタで新日を辞めたりと「バーリ・トゥードにも程があっぞ!」と思ったのも今では懐かしい話である。

尚、1994年にパンクラスの協力のもと、かの『くにおくんシリーズ』を生んだ今は亡きテクノスジャパンより、船木が出る以外にパンクラスらしさが皆無な上、主人公レスラーを育成出来るだけではなく、結婚・出産・子育てにより2世、3世レスラーを育成する事が出来る、どう考えても『ハイブリッド』の部分を勘違いしているとしか思えない怪作『船木誠勝 HYBRID WRESTLER 闘技伝承』がSFCでリリースされている事を特記しておきたい。


KAZZ

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